言の笹舟

何となく考えたことを、写真と共に垂れ流すブログ。

旅歩き記:長楽寺編

「毎年一人旅に行ってます」と言うと、申し合わせたように「おすすめスポット教えて」と言われるので、何個かピックアップして文章に起こしておこうと思う。第一回目(何回続くかわからないが) は、事あるごとにオススメしている長楽寺である。

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 丸山公園付近の有名な神社と言えば、大体八坂神社知恩院が有名なスポットである。八坂神社の朱色の灯篭に彩られた参道や、知恩院の規模感などを考えると、多少長楽寺が見劣りをするのもわからなくはない。第一、長楽寺は丸山公園の南東の奥に位置し、公園を歩きまわった人ではないと見つからない。

 長楽寺の魅力はそこにある。京都と言えば、JR西日本の「そうだ、京都行こう」のCMが非常に有名である。紅葉に色づく寺社の境内が映し出され、サウンド・オブ・ミュージックのマイ・フェイバリット・シングスが流れる。見ていて非常に京都に行きたくなるCMであるが、ひとつ留意したいのは

京都をCMほど静かに回れるはずがない

ということである。人でごったがえす寺社仏閣ほど趣のないものはない。俗世間と割り切った空間を求めて来ているのに、寺社仏閣で人まみれになるのは御免である。

 そんなアナタにおすすめなのが、長楽寺である。

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 そんなわけで、長楽寺には人が来ない。とにかく人が来ない。注意すべきは、木曜日が拝観をやっていないということだが、実は参拝はできるということである。木曜日は長楽寺が所有する文化財や庭園を見ることができないが、右手の小さい入口から境内に入ることができる。庭園を見れないのは確かに痛いが、その代わり静かに境内を巡ることができるので、それはそれでオツである。

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 長楽寺の境内には平安の滝と言われる場所があり、「功徳水(はっくどくすい)」と呼ばれる名水を飲むことができる。滝の前にあるひしゃくで水を飲むわけであるが、毎回滝の水をダイレクトにひしゃくで受け止めて飲むべきなのか、樽に溜まった水を飲むべきなのか一瞬迷うのだが、毎回前者を選択する。滝は結構な落差があるので、ひしゃくで水を受け止めるとビチャビチャと跳ねる。成人男性がひとりで水をビチャビチャやっているのはなかなかに不気味な絵面だろうが、その迷いや何やらを吹き飛ばすほどおいしい水である。なんでも「八種の功徳」があるとか。那智で飲んだ水もおいしかったが、それと同じぐらいのオツさに浸れる。

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 拝観をやっている日は、500円で庭園と文化財を見ることができる。おすすめなのは庭園であり、和室の縁側から庭園を眺めることができる。あまり人がこないということもあって非常に居心地がよく、寝たりTwitterをしたりして、休むことができた。線香のにおいに包まれながら、きれいな庭園を見つつ過ごす。非常に良い。「日本文化万歳」とか何とか言いながら、人が来ないばかりに寝そべっていた。本当にすみませんでした。

 

参考HP

weblog.morichan-central.com

http://www.flooring-sangyo.com/meisui/hakkokudoku10.html